キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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新たな年のはじめに~6年越しの同窓会~

お待たせいたしました。
没SSを公開させていただきます。


時間軸は輝日南神社に着いたところから本殿に着くまでです。
独立した話にするために表現を変えたり加筆したりしています。


さて、今日は結美の誕生日。
でも12日に書くつもりはありません。
光一は学校。結美も学校。


話が読めた方もいるかもしれませんね(笑)
**********


「相原、あけましておめでとう」
「あけましておめでとう、柊」
「新婚生活はどうなんだ?」
「まあまあ順調ってとこかな」
旧友に会い、新婚生活について語る。
いつもは茶化す柊も、珍しくまともに話を聞いている。
この男も彼女持ちな分、「結婚」というものを意識しているんだろうか…と必要のない空想が頭をよぎる。
「参考にさせてもらうよ」
「ああ」
いつもとは逆の構図に戸惑いながらも、飛んでくる問いに答えていった。


少し込み入った話をしようとしたところで、草履でこっちへ駆けてくる音が聞こえてきた。
「相原く~ん!」
「あ、咲野さん!」
振り返ったその先には、袖を揺らしながら駆け寄ってくる同級生の姿があった。
「元気そうだね」
「咲野さんこそ」
「私は元気が取り柄だからさ」
シーズン中のイタリアから一時帰国しているという咲野さん。
スポーツ紙で読んだけど、“咲野明日夏”という名前が向こうではすっかり有名になっているらしい。
一般人の僕らからすれば、新聞に載ること自体が別次元の話。
雲の上の存在、とでも言うべきだろうか。
…でも。同級生でこんな人がいるなんて、誇らしい。
「よく草履で走れるなぁ」
「あ…そういえばそうだった」
舌をぺろっと出しながら頭を掻く彼女のクセ。
卒業してからも変わってない。
「あれ?星乃…じゃなかった、結美ちゃんは?」
「『やらなきゃいけないことがある』って言われて、結局こなかった」
「そっかー。残念だなぁ」
年末に帰ってきて時差ボケもない咲野さんに感心しながら、再会を喜んだ。


「相変わらずそのお馬鹿さんと仲がいいのね」
咲野さんと盛り上がっていると、話に割り込むべく後ろから突き刺すような視線を感じる。
「なっ…!」
「二見さん!」
―――ここにもう一人、同級生で誇るべき人物がいた。二見瑛理子。
高校を卒業してアメリカに発ってから、飛び級を重ねて博士号を取ったという。
こっちの新聞の1面を飾るんだから、すごいものだ。
「空いてるかと思って来てみたらこのサマ。来て損したわ」
「二見さん…」
「相変わらず口が悪いんだね」
また始まった。
高校時代「犬猿の仲」と言われた二見さんと咲野さん。
3年生のときは僕を含めて同じクラスで、こんな修羅場を何度も見てしまった。
サッカーは巧いけど勉強は苦手だった咲野さん。
勉強は出来るけど運動音痴だった二見さん。
僕と知り合い、ということ以外全くと言っていいほど相容れない二人が互いを睨みあう構図も、昔と全然変わっていない。
「そ、それじゃお二人さん、後は二人で…」
「いま、何って?」
「う…」
後ずさりしながら二人の様子を窺おうとしたけど、むしろ油を注いでしまった様子。
二人の目つきに怖気づいてしまった僕は、女同士がやりあっているその場にすっかり立ち尽くしてしまった。


「光一、置いていかないでよ!」
「お兄ちゃんだけずるい!」
聞き覚えのある3つの声が、唖然としている僕を現実へ引き戻した。
「摩央姉ちゃん…菜々…なるみちゃんまで…」
「なるみちゃんまでって…先輩、ヒドイです…。『先輩に会える』って聞いて、菜々ちゃんと待ち合わせしてたのに…」
言い終わるころにはもう目に涙を浮かべていたなるみちゃん。
待ち合わせしてたといわれても…。
「あ~あ、なるちゃん泣きそうじゃない」
そ、そんなつもりじゃ…と弁護に回ろうとする僕を睨み付ける摩央姉ちゃんと菜々。
「所帯持ちの男が女の子を泣かせるとはねぇ…」
「所帯持ちとは関係な…」
「今日の光一は冷たい。さっきだって何?」
「でもあれは…摩央姉ちゃんと菜々が…」
「問答無用!女の子をほったらかしにしてよくそんな口がきけるわね」
「お兄ちゃんが悪いんだからね」
詰め寄る摩央姉ちゃん。追随する菜々。
涙のたまった目をこすりながら僕を見つめるなるみちゃん。
「こうなったら光一にお仕置き―――」
「いい加減うるさいんですけど、やめてもらえません?」
「喧嘩はそこまでよ」
『川田先生!』
「栗生さん!」
何もかもが混沌とした参道で、全員が一斉に声を上げる。
晴れ着を身にまとった川田先生の姿があった。
その隣には、青いジャンバーを羽織った見覚えのあるクラスメートが腕組みをしている。
『お久しぶりです、先生』
「みんな久しぶりね。元気そうで何よりだわ」
「あ…」
見ると、薬指になにやら光るものが。
僕たちの結婚式に来てくれた先生。確か、ブーケを受け取ったのは先生だった。
その先生も、僕たちと同じ展開になっているのだろうか…。
「うーん、旦那がどこか行っちゃったのよ。それで探してたらみんながいたから」
「先生、旦那さんがいらっしゃるんですか!?」
菜々となるみちゃんが激しく食いついた。
お前らもうハタチ過ぎた大人だろ…と子どもみたいに食いつく2人を見て呆れる僕。
「ふふ…」
すると先生は菜々となるみちゃんだけを呼び出し、耳打ちを始めた。
「…………」
『ええぇぇーっ!!』
秘密の会話が終わると、二人の奇声がこだました。
“旦那”という言葉を聞く限り、事情はある程度わかるものだが…。
「みんなには内緒ね」
唇に人差し指を当てて緘口令を布いた先生。
話を聞いた二人は顔を合わせ、呆然としている。
「あ、いたいた…それじゃ、またね」
『先生、さよなら』
履き物に引っかからないように着物の裾を上げて、先生は人混みの中へと紛れていった。


「私は本殿に行くわ」
「私もそろそろ行かなきゃ。親戚へのあいさつ回りもあるし」
「じゃあ…私たちも行きますか」
「さんせ~い!」
二見さんと咲野さんが抜けると、流れるようにみんな本殿へと向かっていった。
「…ふう。これで一段落」
「それにしても栗生さん、元旦から仕事?」
「こういう日は警察の出番なのよ。っていうか、同級生がこんな騒ぎを起こしてるなんて恥ずかしいわ」
「……ごめん」
栗生さんに連れてこられたのは参道を少し外れた場所。
そこにある詰所でお灸を据えられながら、久しぶりに会話をする。
「そういえば、星乃さんと結婚したのよね」
「うん、そうだけど」
「一緒じゃないの?」
「…ちょっとワケありでね」
「そう」
栗生さんはサバサバとした表情で僕の話を聞いていた。
菜々や摩央姉ちゃんに比べると、こういう話をするには最適の相手だと感じた。
「…はい…はい…了解しました」
話が進んできたところで、栗生さんの無線が何かを知らせる。
「ごめん、ちょっと用が出来たわ。詰所だけどゆっくりしてて」
「うん、ありがとう」
僕に言葉をかけるなり彼女はテントを捲り、外へと飛び出していった。


(新年早々大変だなぁ…)
少し詰所でのんびりした後、僕は本殿に向かった。
(すっかり混んできたなぁ)
摩央姉ちゃんと菜々を探していると、後ろから小さく声が聞こえた。
「あなたは…相原さんじゃないですか?」
声をかけたその女性は、眩いくらいの艶やかな着物を身につけていた。
(……!!)
その人の顔を見て、上りかけた階段を踏み外しそうになった。
祇条深月。輝日南では由緒正しい家柄のお嬢様…。
「祇条さん!」
「お久しぶりです」
彼女の細い身体には大きすぎるほどの晴れ着に身を包んだお嬢様。
隣には、「許婚」らしき男が彼女の手を握っている。
「そっか、祇条さんも…」
「ええ。この度」
軽くにこやかな表情を浮かべ、相手の人と目を合わせる。
…そういえば、僕と結美も同じことをしてたような。
「あ、ではそろそろ行きますね」
「うん、元気でね」
「はい。失礼します」
後姿を見ながら、「麗しい」という表現がよく似合う彼女を少し眺めていた。


(もう…みんな本殿に着いてるかな)
ひとり遅れて行った僕は、本殿を目指し階段を歩いた。
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コメント

今日は結美の誕生日ですね。
いつも楽しく読ませていただいてます。

あと・・・もしよろしければ僕のブログと相互リンク結ばせてもらってよろしいでしょうか?
基本的には野球ブログなんで管理人さんに失礼かもしれませんが・・・
【2007/01/12 01:42】 URL | ツバメエース #g54.wAi6[ 編集]
いつもありがとうございます。
相互リンクはぜひ。キミキスというレベルからは離れますけど、今度小説を書かれるというのを見ましたので。
野球なら私も中学までは野球少年でしたしね。ご心配なく。


…実は密かに訪問させていただいてました(汗
【2007/01/12 01:46】 URL | Author #-[ 編集]
相互リンクありがとうございます。
早速リンクさせてもらいました!!


あと、同じキミキスSSサイトのマスメディア研究所がありますので、行ってみてはどうでしょうか?

http://blog.goo.ne.jp/sak-maskomi/c/0e7ecb8c20f52cdaec9e8ba27ee219d8
【2007/01/12 12:28】 URL | ツバメエース #g54.wAi6[ 編集]

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