キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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新妻の隠し事

久々の短編SSです。
結美と光一の新婚生活をちょっぴり書いてみました。
こんな奥さんに玄関で迎えられたい―――そう思って書いた作品です。
光一の変態ぶりも少し復活させてみたり。


途中の展開でキミキス主要キャラが勢ぞろいしてしまう没SSが書けてしまいました。副産物として取ってあります。


もし読みたいという方がいましたら、web読書感想文にて「読ませろコラ」と脅迫してください(爆
一定数の感想文が集まり次第、お蔵入りさせずに公開したいと思います。


来週は結美の誕生日。
プレゼントの準備を始めないと…。
(私事ながら、私も5日が誕生日だったりします)
**********




「あけまして、おめでとうございます」
結婚して以来、初めてのお正月を迎えた。
結美の作ったおせちを囲み、二人でお屠蘇を飲みながら新年を祝う。
「こうやって新年を迎えるのも、なんだか新鮮」
お猪口片手に微笑む彼女につられて頬が緩む。
「初詣も行かなきゃな」
「うん」
学生時代は僕も輝日南を離れていたから、ずっと輝日南神社には行っていない。
今日は久しぶりに、しかも二人で行くことになりそうだ。
「そういえば昨日、摩央さんと菜々ちゃんが迎えに来るって行ってたわ」
「そうか。結美も来る…よな?」
「私は遠慮しとく。ちょっとやらなきゃいけないことがあるから」
「やらなきゃいけないことって?」
「うん、ちょっと…ね」
言葉を濁す彼女に、少し戸惑った。
摩央姉ちゃんと菜々が来るというのも初耳だ。
「後でもいいしさ、一緒に行こうよ」
「ううん、今じゃないとダメなの」
「急ぎの用事?」
「うん、そんなところ…」
何とかかわそうとする姿勢が見てとれる。
はっきりとモノを言わないあたりに、僕は何かを感じ取った。
何か隠し事をしている―――直感はそう示していた。


(ピンポーン)


「来た…みたいね」
「さ、結美も準備準備」
「私はいいから、3人で行ってきて。ね?」
眉を下げて困った表情を浮かべながら、僕を玄関に向かわせようとする。
あまりに不自然だ。
「…何か隠してない?」
「何も…ないから」
洗い物をすませ、食器を片付ける彼女を問い詰める。
(ピンポーン)
「じゃあ一緒に―――」
「いいから3人で行ってきてっ!」
(うわっ!)
恐らく図星だったのだろう。
彼女はふきん片手に僕を体ごと突き飛ばし、リビングのドアを閉めてしまった。
(まいったなぁ…)
こんなに拒否反応を示す結美も珍しい。
…図星だったとはいっても、少しやりすぎたかもしれない。
自分にひとつため息をついて、僕は靴べらを取った。


玄関のドアを開けると、そこにはお揃いのマフラーをした姉妹のような2人がいた。
「光一、遅いわよ!」
「ごめんごめん」
「どうせ結ちゃんと2人でラブラブしてたんでしょ?」
「違います。誘ったんだけど一緒に行こうとしないんだよ。それで説得してたんだ」
「ふーん、アヤシイわね」
「うん、菜々もアヤシイと思う」
「2人で勝手にやっててくれ」
人の気も知らずに…。
詮索しようとする気持ちが理解できず、腕組みをして僕を睨みつける2人を押しのけて僕はひとり初詣に向かった。


参道には露店が並び、白い煙とともにいい匂いを空に漂わせる。
その店の前では、子どもたちが親に何かをねだっている姿。
所々で泣き声交じりの歓声が上がっている。
昔と変わらない光景が、懐かしさに拍車をかける。
「お兄ちゃん…怒ってる?」
「別に」
「やっぱり怒ってるんだ…」
「光一も大人げないわね。冗談でやっただけじゃない」
「冗談にもほどがある、って今さら言わなきゃいけないか?」
「う…」
無愛想なフリをして菜々に当たる僕を見かねたらしく、摩央姉ちゃんが擁護にかかる。
それが歯がゆくて、2人の顔を見ることもなく先を急いだ。
新年早々、どうしてこんなに不愉快な気持ちにならないといけないんだ。
「…ごめんなさい」
「ごめん光一。謝るから機嫌直して、ね?」
「謝るなら最初からしないでくれ」
結美といい2人といい、どういうつもりなんだ。
新年を祝う…なんて気分とは程遠い心持ちのまま本殿に向かい、賽銭を投げる。
かしわ手を打って一礼しようとすると、後ろからの賽銭が頭を直撃。しかも2発。
「ごめ~ん」
後ろを振り返ると、僕に向かって手を合わせる妹と幼馴染がいた。
ここでもか―――2人を睨みながら、噴火しそうな感情をぐっとこらえる。
いい加減呆れ気味な僕の機嫌を窺おうと、摩央姉ちゃんは露店で何かを買ってきた。
「ごめん、これで機嫌直して」
両手いっぱいに抱えられたのはフランクフルトにから揚げ棒、焼きそば…。
「こんなに食べきれないよ」
「でも、機嫌直してほしいから」
「…わかったよ」
僕の一言でほっとしたのか、摩央姉ちゃんは僕の横に座って足を投げ出した。


「ねえ、おみくじやってかない?」
「賛成~」
完食したあと少し休憩して、おみくじが置かれている場所に向かった。
2人に付き合う形でおみくじを引いてみる。
「やった~っ!大吉!」
「いいなぁ。菜々は小吉だよ~」
「今年は絶対いいことあるわよ。今から楽しみだわ~」
一番いいものを当てた摩央姉ちゃんはご機嫌。
鼻歌を歌いながら菜々と2人で盛り上がっている。
「あ、光一は?」
「お兄ちゃんのも見せて~」
「ちょっと待ってろ」
糊付けの部分を剥がし、両手で広げてみる。


『凶』


まっとうな答えだ。こんな日…凶に決まっている。
「先に帰るから」
「え~っ!」
こんなに不快な日はいつ以来だろう。
引き留めようとする菜々と口を尖らせる摩央姉ちゃんをさしおいて、僕は露店の間をそそくさと歩いた。


2人を神社に置いて先に家に戻ってきた僕。
(そういや、用事って何なんだ…?)
朝のことを思い出しながら玄関のベルを鳴らす。


(ピンポン)


返事がない。出かけたんだろうか…。
もう一度鳴らしてみる。


(ピンポン)


「は~い」
聞こえてきたのは朝の剣幕とは明らかに正反対のトーン。
どういうことなのか、ますますわからなくなった。
「ただいま」
「おかえりなさい、あなた」
(えっ…!)
ドアを開けたその先。
玄関に出迎えたのは、いつもとはまるで違う結美がいた。
桃色の地に梅をこしらえた振袖。首には真っ白なストールが巻かれている。
正座をして三つ指を突き、慎ましく出迎えてくれた彼女に見とれてしまった。
「ど、どうしたの?」
「ふふっ…ちょっと頑張ってみちゃった」
下を向いてはにかむその姿が可愛くて、さっきまでのモヤモヤが吹き飛ぶ。
(そういうことだったのか…)
―――どうしてあの時僕を突き飛ばしたのか。
―――どうして摩央姉ちゃんや菜々と一緒に初詣に行かせたのか。
事の次第を把握した。
「こうならこうって初めから言ってくれたらよかったのに…」
「…あなたを驚かせたかったから。それだけなの」
(……)
背伸びしようと健気な気持ちが嬉しかった。
彼女の腕を取り、立たせたところで後ろに手を回し、抱きしめる。
「ありがとう…」
「うん…」
着物独特の匂いと一緒にほんのりとした女性の香りが鼻をくすぐる。
それをもう少し味わいたくて、背中に回した腕に力を込める。
「喜んで…くれた?」
「うん、もちろん」
「よかった…」
僕の腕の中から発せられた問いかけに、否定する理由はない。
妻からのとっておきのサプライズ。嬉しくないはずがない。
「ねえ、もう一回…行こっ」
身体を離してもすぐに手を繋ぎ、腕を絡ませて密着してくる。
内気な性格のはずなのに、こんなときは大胆になる。
そんな結美が僕は好きだ。


「今年も…ううん、これからもずっとよろしくね」
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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

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