キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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2人の廊下 -3-

授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り、川田先生が担任を連れて降りてきた。
「ほんとにびっくりしたわ。教室の外でいきなり大きな音がするんだから…何か落ちてきたのかと思った」
「私の担当してる教室まで聞こえたからね。教室の生徒たちはみんな窓とかドアから音のした場所を見てたから、授業にならなかったのよ」
「私のクラスも…ですよ」
「ごめんね、彼にはしっかり言い聞かせとくから」
僕の横で先生同士が気持ちのよくない会話を交わす。病人のそばでそんな会話するな!と思ったけれど、言うと後がややこしいので喉の手前で無理矢理飲み込んだ。
2人はしばらく雑談した後、ようやく僕に声をかけた。
「相原君、少しは楽になった?」
「ええ、まぁ…」
「星乃さんと2人っきりだから、ずいぶん楽しい思いをしたんじゃない?」
川田先生は少し意地悪そうに目を細めて言った。それを聞いた担任はクスッと笑い、そばにいた星乃さんは顔を真っ赤にしている。
「せ、先生…!」
「星乃さん、冗談よ、冗談。ちょっときつかったかも知れないけど」
教師がこんな冗談を言っていいものか。ただ生徒をからかってるだけじゃないか。
僕がそんなことを考えていると知ってか知らずか、川田先生は僕に目を向けた。
「それはそうと…相原君。廊下で倒れるなんて、朝ご飯食べてないんじゃない?」
「いや、ちゃんと食べましたけど」
「にしては、ずいぶん早くに床とキスしてたじゃない」
「キスって…」
カーッと顔面が赤くなっていくのを感じた。キス未経験の人間にこの言葉は刺激的すぎる。まして気になっている星乃さんの前でそんなこと…。思わず星乃さんに目を遣ると、真っ赤な顔をすっかり下向きにしている。
「フフッ、こんな言葉に反応するなんて、相原君も素直なのね」
先生はクスクス笑っている。まったくこの人は…。大人の冗談にしてはちょっと度が過ぎる。
「まあ、今度はこういうことのないようにね。相原君」
最後に担任にお灸を据えられて、僕は星乃さんと一緒に保健室を出た。


「ねえ、相原君」
教室に帰る途中、星乃さんが話しかけてきた。
「何?」
「あのね…今日、よかったら…」
(よかったら…何だろう?)
「……」
しばしの無言。
「ううん、やっぱりいい」
何を期待したわけでもないけど、少し拍子抜けした。
「何?言いたいことがあるのなら、言ってみてよ」
「…う、ううん。何でもないの」恥ずかしそうに下を向く彼女。
「言わないと伝わらないよ?」
「う、うん、そうなんだけど…」
「僕にできることだったら言ってよ」
「う…うん、ありがとう」
どうやら心を決めたみたいだ。ひと呼吸置いて、星乃さんは頬を赤く染めたまま口を開けた。
「あのね、よかったら今日の放課後…図書室に来てほしいの」
「いいけど、どうして?」
「ちょっと手伝ってほしいことがあって、それで…」
「うん、わかった」
「よかった…」星乃さんは胸に手を当て、ほっとしている。よほど誰かに頼みたかったことなのだろう。
「じゃあ、放課後に図書室で」
「うん」
教室に入り、僕らは自分の席に戻った。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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