キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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伝わらない想い~Time Limit~ -12-

私は彼の胸の中で、ずっと泣いていた。
彼の優しさを、彼の温もりを感じていた。
とめどなく溢れる涙が私の頬を伝い、彼のシャツに浸みていくのがわかる。
それを拭こうともせず、彼は私をずっと抱きしめてくれた。
「…ごめんなさい、突然こんなこと…」
彼の腕に抱かれ、ほんの少しだけ落ち着いた私は、流れ落ちる雫を手で拭いて彼と向き合った。
「星乃さん…」
何を言えばいいかわからない…彼はそんな顔をしていた。
「本当にごめんなさい…」
「いいよ。気にしなくても」
そして彼は私の肩を抱き、目を大きく開いて言った。
「週末、2人で遊びに行こう」
「…えっ」
「星乃さんに、話したいことがあるんだ」
「そう…なの?」
私に、話したいこと…?話すことがあるのは私のほうなのに…。
「予定、開いてる?」
「うん、週末なら大丈夫」
「よかった。どこか行きたい所ってある?」
行きたいところ…彼と一緒の時間を過ごせるなら、私はどこでもいい。
「私はどこでもいいわ。ここに一緒に来てくれたし」
「そっか。じゃあ、遊園地に行かない?」
遊園地ならアトラクションはいっぱいあるし、プールもあるし…。
彼は嬉しそうな顔で、私に話しかける。
「遊園地…」
私の呟きを聞いた彼が、少し不安そうな顔をする。
「ダメ、かな?」
「ううん、そういうわけじゃなくて…」
遊園地に行くのは久しぶりだし、楽しそう。でも、プールに行くなら水着がないし、私は泳ぐのが苦手…。
「相原君、プール…行くつもりなの?」
「うん、とりあえずそのつもり」
「そうなんだ…」
「ひょっとして、そのことを心配してた?」
「う、うん…私、泳ぐの苦手だし、水着買ってないし…」
「そっか…でも、もうプールも終わりだし、行きたいんだ」
行きたい―――彼がそう言うなら、私は何も言わない。
「うん、わかったわ」
「やった!」
じゃあ、日曜日の10時に輝日南駅の改札で…彼から待ち合わせの時間を指定してくれた。
「週末、楽しみにしてるから」
「私も楽しみにしてるわ」


私たちが駅に戻る頃には雨はすっかり上がっていて、夕焼けが綺麗に空に映えていた。
「じゃあ、ここで」
「また明日ね」
「うん。じゃあ、気をつけて」
「相原君もね」
改札で彼と別れ、すぐに来た電車に乗り込んだ。
(相原君とデート…)
最初で最後になるかもしれない、彼とのデート。
もしあのことを話すなら、この日しかない。この日を逃したら、彼に何も言えないまま私は輝日南を去ることになる気がする。
それだけは絶対にしたくない…。
でも、彼が私に話したいこと…一体なんだろう。
―――吊り革につかまりながら、彼の言葉に思いを巡らせた。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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星乃裕一

Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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