キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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伝わらない想い~Time Limit~ -10-

(何を考えてるんだろう…私)
ほっぺたに手を当てて、自分の顔色を確認する。
どういう顔をしているかがわかると、そのまま手で顔を覆いたくなった。
「摩央姉ちゃんが話があるんだって」
「…うん」
いつもより熱い頬を隠そうとしながら、水澤さんに視線を向けた。
「えっと、星乃さん…だっけ」
「あ、はい」
「ちょっとだけ時間が欲しいんだけど」
女だけの話があるから、と相原君をカウンターに残し、水澤さんは私を誰もいない図書室の奥に連れて行った。
「な、何でしょう…水澤さん?」
「摩央でいいわよ。名字だと堅苦しいじゃない」
「は、はい…」
肩に力が入りすぎ、と水澤…摩央さんは私の左右の肩を両手でポンポンと叩く。
そして、おもむろに摩央さんは話を始めた。
「さっきはごめんね」
「えっ?」
あなたは本当は彼女じゃなくてただの友達…それを知っていて、わざと話を大きくした。
光一と久しぶりにしゃべったから、懐かしくてつい光一をからかってみたくなった―――水澤さんは申し訳なさそうに本当のことを話してくれた。
「とばっちりを食らわせちゃって本当にごめん」
「い、いえ…そんなこと…」
同じ学校なのに話すことのなかった幼馴染が再会したのだから、私は何も不満はない。
それに、彼―――相原君の新しい一面を見ることもできた。だから、私は謝られるなんて思っていなかった。
「私は大丈夫ですから…気にしないでください」
すると摩央さんは一言「ありがとう」と言って、少しだけ表情を柔らかくした。
「そういう謙虚なとこが好きだって言ってたわよ、光一。私の前で素直なのは相変わらずなんだから」
拗ねるように話す摩央さんが、少し羨ましかった。
ひょっとしたら、摩央さんも相原君のことが…何となくだけれど、そう感じた。
「しかも光一って、こういうのには鈍くて奥手みたい。だから、じっくり時間をかけるのよ」
きっとあいつは言葉で言わないとわからない。言葉で伝えるのは勇気がいることだけど、頑張って―――そう私にアドバイスをくれた摩央さんは、私から話す事はこれだけだから、と言って図書室から去っていった。
残された私は、その場でさっきの言葉を少しずつ噛み締めた。
時間をかける…。時間…。時間…。
(もう、時間がない…!)


彼との楽しい時間は、もう少しで終わってしまう。
一緒の空間にいられるのも、あとわずかな時間しかない。
―――うつつを抜かす時間は、私にはもう存在しない。
変わることのない現実をはっきりと思い出した私は、周りに誰もいないその場に立ち尽くした。
「星乃さん」
彼の呼ぶ声が聞こえたけれど、私は彼のもとに足を運ぶことができなかった。






止んでいた雨は、時を狙っていたかのように地面を濡らし始めた。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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星乃裕一

Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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