キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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伝わらない想い~Time Limit~ -7-

元通りの仲になってから、相原君は図書室によく来てくれるようになった。
彼にいつ図書室にいるのか聞かれた私は、当番の日を全部伝えた。すると、当番の日は必ず私に会いに来てくれた。それはカウンターの日だったり、本棚の整理の日だったり、新刊が入る日だったり…気がつけば一週間、毎日のように会っていた。
私と会った後は図書室で涼むだけだった彼も、本に囲まれる環境のせいか本について私に聞いてくれるようになった。
「星乃さんおすすめの面白い本ってない?」
あまり読書はしない、という彼に合った本を本棚から探す。
(最初はこれくらいがいい…かな?)
「こういうのって、どうかな?」
候補を決めて彼に渡すと、これくらいの薄さなら、と喜んで読んでくれた。
そして、彼はなぜか本を読むときは私の目の前の閲覧机に座っていた。一方の私は私で、作業をしながら彼が本を読んでいる姿をずっと見つめていたりして。
彼が時々顔を上げて私の方を向くのに気づくと、恥ずかしくてあさっての方向を向いてしまう私がいた。


図書室とは縁がなかったはずの彼と、こんな風にして会うことができるなんて考えてもみなかった。


初めて一緒に帰ることもできた。
「今日、よかったら一緒に帰らない?」
「ええっ!?」
掃除の終わった放課後の教室で、最初に彼から提案されたときは驚いた。
私は電車通学で友達は少ないし、しかも図書委員で遅くなることが多かった。そのせいで帰るときはずっと一人だったから、誰かと一緒に帰るということが初めてだった。
(こんな私でも、いいのかな…?)
正直に言うと、彼の言葉に戸惑った。
「ダメ…かな?」
「ううん!そうじゃなくて…」
私が返事を渋るのを見て、彼はダメだと思い込んでしまった。
私の思いと彼の思いがうまく交わらない…。私はダメというわけじゃなくて、ただ戸惑っているだけ。本当は嬉しい。
「私でも、いいの?」
おそるおそる相原君に訊いてみると、彼はこう言った。
「星乃さんだから誘ったんだ」
彼がここまで言ってくれてるのに、私の都合で返事を渋るわけにはいかない。
「あなたがそう言うなら…」
戸惑いを隠して、私は彼の言葉に従った。
この後、彼と初めて一緒に帰ったときのことは緊張していてほとんど覚えていない。
ただ、いつもより駅までの時間が長かった感覚だけは覚えている。
「じゃあ、ここで」
「ええ、ありがとう」
輝日南駅の改札の前で彼と別れた後、隠していた戸惑いは満足へとすり替わっていた。帰りの電車の中で、私は一人満足感に浸っていた。


あの日が迫ってくるのを、この時までは忘れることができた。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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