キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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伝わらない想い~Time Limit~ -6-

あのことを、彼も気にしているようだった。
校舎裏で会った翌日、彼は私と少し距離を置いていた。
下足室で顔を合わせても、教室で偶然目が合っても、彼は気まずそうにして私と話すことを避けていた。
(私…悪いことしちゃったのかな…)
彼の態度を見て、彼への恐怖に加えて罪悪感を抱きはじめた私。
その芽生えたものは彼と話せない時間に比例して、どんどん大きくなっていく。
そしてそれは授業中でも、教室で本を読んでいても、図書委員の仕事をしていても、暇なく心のスキを突いてくる。
(私…どうしよう…)
2つの感情の挟み撃ちにあった私の小さな心は、もうパンク寸前だった。


そんな負の心を追い払ったのは、やっぱり彼の存在だった。
「星乃…さん」
放課後、相原君は人のまばらな時間に図書室に現れ、本棚の整理をしている私に声をかけてきた。
「相原君…」
「今、ちょっといい…?」
「いいけど…」
彼は私の返事を聞くと、話したいことがあるから屋上に来て欲しい…と言って姿を消した。
彼からの2度目の呼び出し。彼と話すのが少し怖いけれど、断る勇気はない。
私は作業をする手を止め、後を追って屋上を目指した。
そして屋上に着いた私を待っていたのは、彼の謝罪の言葉。
「昨日はあんなこと言って、本当にごめん!」
「昨日って…キス…のこと?」
彼は軽く頷いて、昨日はどうかしてたんだ、つい口が滑ってしまって…と続けた。
(そんな…私…)
本当は自分が悪いんじゃないか、彼に悪いことをしたんじゃないか…そう思っていた私には彼の一言一言が意外だった。
「もしできるなら、また友達として仲良くしたいんだけど…」
話の最後に発せられた彼の声は、呟くように小さな声だった。
きっと自分のことを責めているに違いない―――私にはそう見えた。
やっぱり私のせいで彼を困らせてしまっている…罪悪感が私を襲う。
「相原君…私こそ、先に帰ってごめんなさい…」
「えっ…?」
「私、男の人のことよく知らなくて、男の人と話すのも慣れてないから…」
ずっと男の人の友達がいなかった私は、男の人と仲良くなるとどうなるかなんて知らなかった。
キスのことはびっくりしたし、恥ずかしかった。だから先に戻ってしまった。
でも、こうやって相原君を困らせたのは私の責任。謝らなきゃいけないのは本当は私のほう…。
それに、相原君の困っている顔は見たくない…。
うまく言葉を繋ぐことはできなかったけれど、私は自分の気持ちを素直に伝えた。
最初は私が謝ることに驚いていた彼も、私の気持ちを伝えたことで安心したのか、少し穏やかな表情に変わった。
「じゃあ、これからも友達でいてくれるってこと?」
「ええ」


離れかけた彼との距離を、私は取り戻すことができた。
ホッとした、と言えばいいのかもしれない。肩の荷が下りたような感覚が体を包んだ。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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