キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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伝わらない想い~Time Limit~ -4-

(相原君とお友達…)
(嬉しい。けれど、これからどうしたらいいんだろう…)
(話しかけてくれる、って言ってたけど、私からも話しかけたほうがいいのかな…?)
「結美…」
私を呼ぶような声がしたけれど、水をかく音にかき消されてはっきり聞こえなかった。
(でも私、男の人と話すなんて…)
「結美!」
少し間をおいて、ドンドンとドアを強く叩く音がした。
「は、はいっ!」
「いつまでお風呂に入ってるの。早く出なさい」
ドア越しに聞こえたお母さんの声で、私は自分が湯ぶねに浸かっていたことを思い出した。
手のひらがふやけて皺だらけになっている。
(すっかり長風呂になっちゃった…)
家に帰ってきてからの私は、ずっと図書室での出来事を思い出していた。
彼と交わした、初めての会話。緊張したけれど、彼と話ができたことは切るカードのなかった私にとって何よりの収穫だった。
食事中もお風呂の中でもずっと頭の中が彼一色。
次の日からの楽しみがひとつ増えて、日記を書こうとしてもペンは進まず、寝る前の読書も手につかなかった。


輝日南での最後の1ヶ月は、予想外の好スタートを切った。



あくる朝。早めに登校した私は、校舎のそばにある花壇で花に水をあげていた。
「星乃さん、おはよう」
ホースを持つ私に誰かが声をかけて来た。こんな時間に誰だろう…?おそるおそる振り向くと、鞄を持った彼が立っていた。
「あ、相原君…おはよう」
「びっくりした?」
「う、うん。少しだけね」
朝から彼と話せるなんて。動揺して、つい俯いてしまった。
「そっか…ごめん、つい星乃さんの姿が見えたから」
「ううん、いいの」
(そういえば、今日はどうしてこんなに早いのかな…?)
いつも遅刻ギリギリに来る相原君が、こんなに早く―――まだ8時にもならない時間に来る。ちょっと意外に感じた私は、彼に理由を聞いてみた。
「今日は早いけど、どうして?」
「珍しく早く起きたから」
「そうなの?」
「家族はびっくりしてたけどね」
苦笑いを浮かべる彼につられて、つい頬が緩む私。
「ところで、星乃さんは何してるの?」
「お花に水をあげてたの。水が冷たいうちにあげておかないと、枯れちゃうから」
「そうなんだ。でも、これって星乃さんの仕事?」
もちろん私の仕事じゃない。掃除当番の人が係になっている…けれど、忘れられがち。私は花が好きだし、水やりとか世話をするのが好きだから、と彼に理由を話した。
「優しいんだね」
「ううん、そんなことない」
私は決して褒められるほどのことはしていない。好きでやっているだけ…。だから否定した。
「でも、誰も気がつかないところに気がつくってすごいと思うよ」
「そ、そんな…」
「本当だから」
「あ…ありがとう」
嬉しかった。彼が何度も私を褒めてくれた。
人に褒めてもらうことがこんなに嬉しいと感じたのは、とても久しぶりな気がする。
彼と話をしたことで、朝から気持ちのいい気分で授業に臨むことができた。
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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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