キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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2人の廊下 -17-

「お二人さん、反省した?」
授業が終わると、何も知らない川田先生は宿題を忘れた僕らを戒めに来た。
「はい…すみません」
「もう宿題忘れたりしません」
「よろしい、教室に入っていいわよ」
「入っていいって、もう授業は…」
「文句を言わない」
「はい…」
先生に睨まれながら、僕は星乃さんと教室に戻ろうとした。
「あ、星乃さん、ちょっと」
先生が星乃さんを呼び止める。
彼女は不思議そうな顔をしながら、先生のところへ行き、何やら話を始めた。
(転校のことだろうか…)
気になった僕は、2人の会話をしばらく眺めていた。
星乃さんの顔が何となく上気しているのが見える。転校のことじゃないのか…?
会話が終わると、川田先生は僕に軽く笑顔を見せ、去っていった。
「何話してたの?」
先生の笑顔の意味がわからなかった僕は、戻ってきた星乃さんに聞いてみた。
「ううん、何でもない」
クスリと笑顔を見せた星乃さんは、自分の席へと戻っていった。
川田先生と話した後の星乃さんは、さっきまでとはうって変わって明るい表情。
明るく取り繕っていたのかも知れないけど、彼女の暗い顔は見たくない。
僕は彼女が明るく接してくれるのが嬉しかった。


僕らは放課後、校門の前で待ち合わせて駅前へと向かった。
「こうやって帰れるのも、あと少しだね」
「うん。でも相原君と一緒にいられて、嬉しい」
「僕もだよ」
一週間という残された時間。
星乃さんと話す時間が、彼女と一緒にいる時間が何よりも大事だった。
「星乃さん、ちょっと寄りたいところがあるんだ」
その大事な時間で何をするか、僕はあらかじめ考えておいた。
「どこ?」
「デパートなんだけど」
デパートで何をするんだろう。彼女はそんな顔をしている。
「何かお買い物?」
「一緒に来てみたらわかるよ」
僕は目的を悟られないよう、わざと言葉を濁した。
その選択は正しかったらしい。彼女はとても嬉しそうだ。
「フフッ、何だか楽しみになってきたわ」


デパートに着くと、僕は迷わず時計コーナーに向かった。
まだ星乃さんには何も気づかれていない。
「ここは…時計コーナー?」
「そう」
「でも、どうしてここに?」
何も知らない彼女に、ここで一日したためていたことを明かす。
「ペアウォッチ、買わない?」
「えっ?」
僕の提案に余程びっくりしたのか、彼女の声のトーンがいつもより少し高い。
「何か星乃さんとお揃いのものが欲しかったんだ。腕時計って毎日身につけたり見たりするものだから、いいかなと思って。星乃さんと同じ時計なら、その時計を見て星乃さんのことを思い出せるし」
「相原君…」
「どう?」
質問したばかりなのに、星乃さんの答えが待ち遠しい。
「うん、嬉しい…」
「…よかった」
心の中で何度もガッツポーズを取った。
たくさんの時計が並べられたウインドウを見て、二人で手頃な値段の時計を探す。
「こんなのどう?」
「うん、いいと思う。絵柄がかわいい」
僕が選んだのは、動物のキャラクターが描かれた腕時計。
男にはかわいすぎるかも知れないけど、星乃さんと同じ時計ということだけで満足だった。
「この時計、大事にするわね」
「僕も大事にするよ」
二人で交互に時計をはめ合う。
「そういえばこのコアラ、相原君に似てる気がする」
「そう?どんなところが?」
「いつも眠そうなところ」
「それってどういう意味?」
「フフッ、ひみつ」
口を尖らせる僕を見て笑っている彼女を見ると、僕は怒るどころかつられて笑っていた。
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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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