キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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ステイ・ウィズ・ミー(1)

超久しぶりのSS投下。
ほぼ1年ぶりかな?


今回はアマガミちょおまから麻耶ちん編その1。
ちょおまED後のお話を創作してみました。何話か続きます。
麻耶ちん可愛いよ麻耶ちん。
**********


 今年もクリスマスイヴに行われた創設祭が終わった。ほぼ時を同じくして、輝日東に本格的な冬がやってきた。クリスマスだった金曜日の夜から降り出した雪は止むことを知らず、私がクリスマス明けに出勤した月曜日には、輝日東高校の正門にしっかりと雪が積もっていた。これだけ雪が降ったのは何年ぶりだろう、と懐かしむ。
 輝日東高校に日本史の専任教諭として赴任して7年。仕事一筋で生きてきた私にとって、今回の創設祭ほど心が動かされたものはない。創設祭の恒例イベント、ミスサンタコンテストで過去の私を彷彿とさせることが起こった。
「高橋先生、好きです!!」
 コンテストにエントリーした女子や大勢の観衆の前で声を震わせながら、12年前に私がやろうとしてできなかったことをやり遂げた男子がいた。彼―――橘純一の姿を見ていたら、私を雁字搦めに縛っていた頑丈な糸が一遍にほどけていくようだった。
「頑張ったね、橘君…」涙を堪え切れなくて、ハンカチ片手に会場を後にした。嬉しいんだか切ないんだかよくわからないまま、校舎の影に隠れてしばらく泣いていた。
 コンテストが終わり、照明が落とされた頃合いを見計らって私は再び舞台のあった場所に戻った。橘君は特別賞をもらったと人づてに聞いた。そう、とその場では無関心を装ってはみたものの、その話を聞いた後で彼と同じクラスの梅原君や田中さんが私に気づいて橘君の居場所を教えてくれたときには、心臓が口から飛び出そうなほど緊張してしまった。年甲斐もなく…と言われてしまえばそれまでだけど、これまで長い片思いをした以外には恋愛した経験なんてほとんどないし、大勢の前で名指しで告白されるという経験はなかなかできるものじゃない。「橘君から話がある」という梅原君たちの言葉に胸が締め付けられるような思いをしながら、おそるおそる橘君がいるという教室に行くと、あられもない格好をした彼の姿があった。ノックせずに教室に入った私が迂闊だった。さらに彼の姿を見たとき、条件反射で彼の頬を強くビンタしていた。
(私のバカ…)
 いくら条件反射とはいえ、ひどいことをした。私が謝ると彼は怒る素振りを見せず、逆に無防備だったことを詫びた。彼がズボンを履いたことを確認し、改めて彼の話を聞いた。私のことが冗談ではなく本気で好きであることを、彼は私の目を見つめながら伝えてくれた。年の差はある。それに、まだ教師と生徒の関係。それをわかった上での交際なら、という条件付きで、彼と付き合うことになった。
初めてのキスも、そのときこっそりと教室のカーテンの中で経験した。


 創設祭が終わると、輝日東高校は冬休みに入る。生徒はというと、センター試験や私大受験を控えた3年生のうち、希望者が補習を受けに来たり、図書室で勉強に取り組む程度。部活もこの雪では体育館を使用するクラブや文化系のクラブしか活動できない。授業のないこの時期、日直に当たっていたり部活の顧問を務める先生以外は有給休暇を使って休んでいる。そしてこの天気ともなれば職員室も閑散としている。そんな中、私は休暇を取らずに仕事に勤しむ。
 職員室の自分のデスクに座り、教科書や副教材を見ながら3学期の授業の準備を進める。どうしようかなぁ…とあれこれ読みながら思案しているうちに、少しずつ目の前がぼやけてきた。
(うーん、ひと休みしたほうがいいのかな)
 こめかみの辺りを指でグリグリと刺激しながら、ふうとひとつ溜息をつく。
 そこに私の状態を察知したかのようなポケベルの音がした。緑色に光る画面の真ん中に、角ばったカタカナが羅列してある。
「シュクダイオシエテ」
 送り主が誰か、もう見当はついている。
(…もう、今は仕事中だってば)
 会いたい口実に宿題を使っている。そのわかりやすいところが彼―――純一君のいいところであり、悪いところ。今は仕事中だから、会うのなら仕事が終わってからにしてほしい。彼はポケベルを持っていないから、返事をするときは必ず彼の家に電話をすることになる。運よく私は彼の担任という立場だから連絡はしやすいけれど、プライベートのこととなると彼以外の家族が出たときの対処法を考えなければならない。教師と生徒が恋愛関係になると、こんな障壁も出てくる。公私混同は避けなければならないから、慣れるまでが大変だと実際に経験して思う。
(とりあえず、教えてほしいなら学校に来なさい、と言いたいんだけどな)
「高橋先生、誰かから連絡ですか?」
「えっ?」ポケベルの画面を見ながらデスクに肘をついていると、教頭先生が声をかけてきた。
「えらく神妙な顔をしてたので、何かあったのかと思いましてね」
「あ、いえ、なんでもないです…」
「何かあったら相談してくださいね、高橋先生」教頭先生は笑顔で私から離れていった。この連絡をくれたのは実は恋人で…しかも教え子で…、なんて管理職の前では口が裂けても言えない。彼が輝日東高校を卒業するまでは、ずっと秘密の関係でいることになる。
 あと1年と3ヶ月。早く堂々と街中を歩けるようになりたい。それまでの我慢、かな。

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