キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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2人の廊下 -12-

右手に残る星乃さんの手の感触。
束の間の恋人気分を味わえたのに、なぜか釈然としない。まだ見ぬ星乃さんの想い人に、僕は嫉妬していた。
買い出しが遅れて栗生さんに怒られたことも、他の準備委員の女子がずぶ濡れの僕を笑っていたことも、どうでもよかった。
(星乃さんには好きな人がいる…)
夕焼け空に架かる虹をぼんやり眺めながら、この先どうすればいいのか頭を悩ませた。
家に帰ると、シャワーも食事もほどほどにベッドに横たわり、いつの間にか眠りに落ちていた。


翌日。久しぶりに早起きをした僕は、家族の奇異な目をかわすように学校へと向かった。
「相原君、おはよう」
「あ、おはよう」
学校の手前の信号で、星乃さんとばったり出会った。
「今日は早いのね」
「まあね。星乃さんは?」
「今日はちょっと先生に用事があって…」
「そうなんだ」
横断歩道を渡りながら、二人で正門をくぐり、校舎に向かった。
「あ、そういえば相原君に渡したいものがあるの」
「え?何?」
2-Aの教室の前で、星乃さんは鞄から何かを取り出した。
「これなんだけど…」
差し出されたのは、1冊の本。
「よかったらこれ、読んでみて」
「うん。でもこれ…星乃さんのじゃ?」
「ううん、いいの。私は何度も読んだから」
「そうなんだ。さっそく読んでみるよ」
「ええ。また、感想聞かせてね」
「わかった。で、いつ返したらいい?」
「いつでもいいわ。ずーっと先でも構わない」
「そっか。じゃあ、読みたくなったら言ってよ。すぐ返すから」
「ええ。…あ、そろそろ先生のところに行くわね」
「うん」
そう言って星乃さんは職員室に向かった。


(『Heavenly Romance』…恋愛小説かな)
僕にとっては恋愛小説が物珍しいものだったから、パラパラとページをめくってみた。どうやら訳本らしい。
しばらく無意識にめくっていると、あるページで栞が挟まれたままになっている事に気づいた。
(星乃さん…栞を取り忘れたのかな?)
そう思いながらそのページを読んでみると、物語が佳境にさしかかるところだった。
周囲の反対を押し切って恋人となった2人がようやく2人きりになり、将来を約束するシーン。
このページから最後にかけて、何度もめくられた跡がつけられている。きっと星乃さんが一番好きなシーンなんだろう。
小説は、将来を約束した2人が見つめ合いながら、2人きりの世界に浸るようにキスをして終わっていた。
…最後のページには雫が乾いたような跡がいくつも残っていた。
(もしかして…涙?)
星乃さんはこの本を読んだ後に泣いていたんだろう。恐らく、好きな人のことを想って…。
(この本を僕に貸してくれた…なぜだ?)
突如として湧き上がった疑問。その疑問は前の日の星乃さんの言葉とリンクして、どんどんと増幅していく。
星乃さんには好きな人がいる。でも、僕に手を握って欲しいと言ったり、この本を貸してくれたり…。
―――星乃さんに気持ちを確かめたい。星乃さんの気持ちを知りたい。
僕は放課後、時間を取って彼女と話すことにした。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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Author:星乃裕一
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『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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