キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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あま・がみ~prologue~ -2-

約半年のご無沙汰です。
第2弾、そして最後のプロローグです。
半年前から書き始めていたのに、SSを公開するのがこんなに久しぶりになるとは思いもせず。
本当に申し訳ない限りです。ふう。


アマガミの発売もいよいよ今週。
全俺がwktkして全裸で待っているぜ!!!




梨穂子って、気持ちの切り替えはめちゃくちゃ早いと思うんです。
++++++++++


放課後の家庭科室。
家庭部のクラスメイトに頼み込んで、この場でお菓子作りをさせてもらえることになった。
調理実習で使うオレンジ色っぽい暖色系の色をしたエプロンと、お揃いの三角巾を持ち込んだ。これを身に付ければ、頭はお菓子作りモードにガラリと変わる。
「梨穂子、そんなにお菓子ばっかり作ってたら太っちゃうよ」
「いいの、好きなものは別腹なんだから」
「それでこのお腹でしょ?梨穂子って自分に甘いよね」
「…それは言わないでよぉ」
友達にエプロンの上からお腹をつねられて皮肉られるけれど、それにもだいぶ慣れた。
私は、お菓子が好き。食べるのも、作るのも、どっちも好きになった。
茶道部に入部した理由も、お茶と一緒に和菓子が食べられるから…とちょっぴり不純なもの。
部長に言ったら絶対に怒られるだろうな。


今日は部活で食べる和菓子を作ることにした。
作るのは「梨穂子にぴったりだね」と言われた大福。丸々としていて、ふっくらしたのが私にぴったり…らしい。
ひどいことを言うなぁ、と思いながら餡を手で包み込む。
(おいしそう…)と心の中で呟きながら、ひとつひとつ作り上げていく。
「梨穂子、よだれ出てない?」
「へっ??」
唇あたりに意識を向けてみると、言われたとおりに何かが流れそうな感覚が…。
慌ててティッシュで拭き取り、流しで手を洗いなおす。
目の前の丸くて白い食べ物にすっかり心を奪われている私がいた。
…おいしそうなんだから仕方ないのになぁ。


手の中で大福をコロコロと転がすのに慣れてきて、次の手順に移ろうとしたところ。
ガラガラッとドアを引く音がした。
あまりに強引な開け方に、ドアの向こうに見える人の姿に部屋のみんなが注目する。
(薫…)
棚町薫。友達とまではいかないけれど、私とは顔見知り。
癖毛なのかパーマを当てているのかは知らないけれど、よく目立つ髪型をしている。
正門前で時々生徒指導の先生とやりあってる姿をみんなが見てるから、校内ではちょっとした有名人。
その薫が、家庭科室に何の用なのかな。
手を止めていると彼女と目が合う。そして私のほうへと歩いてくる。
「ねえ、りほりほ」
「その呼び方はやめてよぉ。それからほっぺたつつかない!」
「ふふふ」
「んもー、『ふふふ』じゃないんだから」
「だって梨穂子のほっぺた、ぷにぷにしてるからさぁ」
「むぅ」
私と会うときにはきまってこんなことをされてしまう。
薫にとって私は恰好のいじり役。
自分からいじられ役を買って出たわけでもないのに、いつの間にか何故かこういうキャラになっている。
どういう成り行きでこうなったかはもう覚えていないから、薫のせいだ…とは言わないけれど。
「今日は何を作ってるのかなぁ?」
「何か当てたら、薫にも食べさせてあげる」
「薫“にも”?」薫お得意の探りが入った。
「うん、だって私が食べるんだから」私の意見はこうだ。
「相変わらずね。それじゃこのお腹が…」
「それは言わないでってばぁ」
私は条件反射で唇を尖らせる。
慣れてるといっても、言われたくないという気持ちが強くなると、つい大声になってしまう。
特に薫に対してはそう。理由は…わからない。
クスクス、と笑っている薫に釣られてみんなも笑う。
私、ピエロじゃないのにぃ。
「あ、お邪魔したわね」
「…いいよ。薫だし」
私は不服そうな顔をしたつもりだけど、薫はまたひとつクスリと笑って私の元を去ろうとした。
その姿を目で追い、薫の左手が家庭科室のドアに触れたところで私は粉の入ったボウルを手に取った。
すると。
「よっ、梨穂子」
「あ、純…いや、橘くん」
さらなる来客。事態は予想外の、それも悪い方向へ。
ガラガラン、とボウルが落ちる音より先に、彼の姿を目で追っていた。
「梨穂子、どうしたの?」
「い、いや、なんでもないからっ」
落としたボウルを拾い上げ、エプロンにこぼれた粉を払い落とす。
そうしてから、動揺を隠すように止まっていた手をまた動かす。
けれど、動かす手のスピードが明らかに落ちている。
何でこんな時に…もう。
タイミングの悪さに文句を言いかけて、やめた。
「あー、そういうことかー」
出て行こうとしていた薫がまた近づいてきて、ニヤニヤしながら私に鋭い視線を浴びせてくる。
気づいてもらいたくない人に気づかれてしまった…。
「ふーん、実はそれを食べてもらいたい人がいるってことか…」
また探るような視線を私に浴びせ、プレッシャーをかけてくる。
(あ、うぅ…)
私自身が食べたい、と思っていたものなのに、薫に言われるとその人のことが頭に浮かんでくる。
「作っているのは大福でしょ。見ればわかるわ」
「……」
「じゃ、できたら私にも頂戴ね。あと、この男にも」
「う、うん…」
おいっ、と焦るような口調の純一を薫は軽くあしらう。
“この男”…純一のことをこんな風に呼べる薫が羨ましく、恨めしい。
薫、私の前でそんなこと言ったら打ち首獄門だよ…。
「さ、邪魔者は失礼するわ」
何かを指し示すような微笑みを浮かべて、薫は家庭科室を出て行った。
姿が見えなくなったのを確かめて、私は純一を家庭科室から離すように連れ出した。
「ったく、薫って奴は…」
「純一…」
階段前で二人立って話す。
悪かったな、と苦笑いする純一の顔が、見ていてなんだか辛かった。
「さ、早く作業に戻れよ」
「う、うん…」
彼は私の腕を抱くと、そのまま私の体を180度回転させた。
彼―――純一の顔が見えない。
「じゃ、楽しみに待ってるからな」
ポン、と背中を押されてよろける間に、彼は走って階段を下りていった。
(……)
階段前で独り、ぽつんと立つ私。


私…ひとりなんだ。


強烈な孤独感とともに生まれてきたのは、さっき呼び起こされたばかりのひとつの想い。
純一に対する、「好き」という気持ち。
純一にそばにいてほしい。
いつもつるんでいる薫には簡単に勝てないかもしれないけれど、なんたって幼馴染なんだから。
振り向かせなきゃ。


おいしい大福を作って純一と一緒に食べたいな。


さ、戻ろうっと。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

コメント

 女の戦いですな!
 争いごとが苦手そうな梨穂子ですが、橘のことは牙をむくくらいでいてほしい!
 ・・・でも僕は薫派です(笑)
【2009/03/16 22:49】 URL | wible #m5LXeu9s[ 編集]
梨穂子いいですよね。一番好きです。やっぱり女の子はあんぐらいふっくらしてなきゃだめですよw
星乃さんは誰が一番好きですか?
【2009/03/18 18:44】 URL | 大地 #-[ 編集]
>wibleさん
牙の剥きあいになれば面白くなるんですよね。ネタ的に。

>大地さん
ほぼ同意です。
ちなみに私は紗江と梨穂子が1位を争ってます。確か前に書いたような。
【2009/03/22 23:20】 URL | Author #y/MN7pSg[ 編集]

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