キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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文月の一日 -1-

2ヶ月ぶりに書いてみましたよ。
真夏のSS。
発売5周年を迎えたTLSSで書くこともありなんですが、ネタがいかんせん(汗


とりあえず2話構成で。
長編を書くまでまだ時間がかかりそうなので、ゆっくり感覚を取り戻していきますよ。


継続は力なり。
一旦書くのを止めるとピアニストみたいに感覚が鈍るわ…。
++++++++++


カーテン越しに射し込む目覚ましの光。
いつからともなく鳴き始めたセミ。
妹のごはんだよ、と何度も反復する大きな声。
(うーん…)
目覚ましには少々行きすぎな環境が僕の意識を夢の世界から引きずり出した。
「全国で梅雨明け宣言が出されました」
あくびをしながらリビングに下りると、テレビから梅雨明けを知らせるニュースが流れていた。
ついにやってきた、高校生活最後の夏。
今年は補習だらけで休みという休みは取れそうにない。
「大学に行くためだ」と思えば苦ではないのだけれど、何しろ通学路に影がなくて暑い。
そのせいで高校に入ってからというもの、夏は学校に行くまでにシャツが完全に汗でぐっしょり。
そんなシャツを着て空調の効いた教室で勉強する。
でも、不思議と風邪を引いたことはない。
案外丈夫な自分の体に感謝する。
「いってきます」
夏休みだから、と友達と遊びに行く準備をする妹を尻目に、僕は一人で学校へ向かった。
「やあ、相原」
「遅くなって悪い、柊」
「なに、いつものことさ」
輝日南駅前のコンビニで親友と待ち合わせて、学校に着くまで一問一答大会。
基礎の英単語からマニアックな古文単語、数学の公式や解法、理科や社会…。
文系理系を問わず出される問題に一人で手こずりながら、ゴール地点の正門に到達した。
「相変わらずだな、君は」
「…今日も負けだよ」
ロッカーの前でお手上げのポーズを取る僕。
僕が出す問題は、柊にとっては棒球でしかない標準レベルの問題。
今日も案の定…負け。
朝の一問一答を始めようと言い出したときに、柊とは別の約束をした。
負けたほうが昼休みにアイスをおごる…というものだ。
言い出したのは僕だった。ところが7月に入ってからは全敗。
自分の財布がそろそろ悲鳴を上げそうな状況に陥ってきた。
自分の首を絞める、とはこういうことを言うのだと思う。
「また昼にな」
「ああ」
教室に入ると、切れ長の目を輝かせて奴は窓側の自分の席に向かった。
廊下側から2列目の席の僕は、軽い精神的ショックを抱えたまま自分の机に荷物を置いて席に着いた。


「この評論においては、この段落の筆者の主張がポイントとなります」
90分授業の補習。今日は国語漬け。
2時間目の現代文の授業は今年も川田先生が担当だ。
「筆者の主張はこの段落全体で述べられていて、結論では…」
(んー…)
昼近くになるといきなり襲ってくる眠気。
それに加えて頭が痛み始めた。
空調が低い温度に設定されているのか、頭がガンガンと痛む。
僕の席はその風がまともに吹いてくる一番寒いところ。
眠気と痛みが交互にやってきては僕の頭を刺激する。
ここまではいつものこと。
寝てしまえば先生から厳しいお叱りを受けることになる、とわかっているから眠気と真っ向から戦う。
でも、頭が妙に重い。体もゾクゾクしだした。
のども渇きはじめる。
ただ眠いだけじゃない…らしい…。
「それじゃここ、相原…」
自分の名前が聞こえたところで、僕の意識がどこかに飛び立った。
床に倒れこむ音がかすかに聞こえた。


保健室のベッドに寝かされた僕は、真っ白な空間をただ見上げていた。
ふう、と天井に向かってひとつため息に似た息を吹く。
何が起こったのか理解できないまま、僕はここにいる。
「相原君、目が覚めた?」
「あ、はい…」
この声…川田先生だ。
「心配したのよ。いきなり真っ白な顔で倒れられるんだから…。でも大したことなくてよかったわ」
「すみません…」
先生は起き上がろうとした僕をかばうように背中を支えてくれた。
それから僕が床に倒れこんだいきさつを説明してくれた。
僕は知らないうちに意識を失い、倒れたときに頭を打って軽い脳震とうを起こした。
幸い打った場所がよく、軽い脳震とう程度で済んだという。
「最近ちゃんと寝てる?」
「いえ、勉強が追いつかなくて…」
柊に追いつくために必死で勉強している。
昨日だって寝付いたのはオールナイトのラジオが始まってからだ。
事情を説明している間に先生は数回溜め息をして、やれやれと言わんばかりの表情を見せた。
そして。
「ほら、ちょっといい?」先生は僕の顔を両手で包んだ。
「あ、いやっ、その…」
「もう、動かないの」
どれどれ、と言わんばかりに先生の顔が僕の顔に近づき、やがて二人の額が重なった。
間近で直視されることが恥ずかしくて視線を下に逸らす。
(う…)
逸らした先にあったものは、女性が持つ二つの膨らみ。
いつも先生が着ている競泳用の水着ではないことに気がつくのと、見える膨らみの角度と大きさを計算するのは同時だった。
先生のスタイルがいいことは男子の間でも評判だったけれど、間近で見ると…。
「相原、君」
「は、はいっ」
気付かれた、と感じた僕は慌てて視線を元に戻す。
先生の表情をこわごわとした気持ちで視線を上げる。
「熱はないみたいね。よかったわ」
先生は何事もなかったように顔を離した。
「勉強するのもいいけれど、たまには休みも入れないとダメよ」
呆れ顔の先生は、言うことだけ言うと締めていた頬の筋肉を弛めた。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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