キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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輝日南慕情~ヒロインの思ひ出~

エビコレ+発売記念SS。
パケ絵から今回はネタを拝借させていただきました。
1時間で書こうと思ったら拍子で電源ボタン押して保存しないままスタンバイ→立ち上げようとしたらブルースクリーンであぼーん、という憂き目に。
べ、別に書く余裕がなかったわけじゃないんだからねっ!


こんな女に誰がした。
内気で引っ込み思案の女の子は、いつしか一人の女性としての自信を手に入れていました。
光一め、必ずや成敗してくれるっ。


*長編2話について*
諸事情により2話の公開が遅れています。
2話はこの短編の下の記事にて公開予定です。
++++++++++


午後5時25分。
輝日南高校の図書室はもうすぐ閉室―――といっても、学園祭の後夜祭があるからもう誰もいないんだけど。
待ち合わせ時間まであと5分。
あとは待ち人が来るのを待つばかり。
今日一緒だった担当の子は後夜祭に参加するからと言って先に帰ったし、残っているのは私だけ。
『図書室の奥の棚にいます』
ホームルームが終わった後、彼にそう告げて別れた。
私のように委員会に所属しているわけでも部活に熱を入れているわけでもない彼。
どんな風に時間をつぶしているのだろう、と本棚の本に触れながら想いを馳せる。


転校まであと少し。
彼…相原君と一緒にいることで、違う私が引き出されるようになった。
「明るくなりたい」とひそかに思っていたことが実現した。
初めて会う人に声をかけ、会話すること。
その人たちと仲良くなること。
一見荒療治に見える彼の提案は、見事なまでに私を成長させてくれた。
何よりの成長が学園祭当日にチアガールをやり遂げたこと。
彼の「やってみない?」という誘いに乗ったのが始まり。
結果として、これが私を一番大きく変えてくれた。
きっと彼がいなければ、「明るくなりたい」と思っているだけで何も変わっていなかったと思う。
クラスのみんなも、きっと「友達になろう」とか「学園祭、一緒に回ろう」なんて言ってくれなかったと思う。
相原君の提案には戸惑いも恥ずかしい思いもしたけれど、今ではすっかり彼に感謝している。
彼にお礼を言いたい。そして…。
今日のこの時のために、川田先生に知恵を借りることもした。
内気で引っ込み思案な星乃結美は、今日はいない。
そう言い聞かせ、彼に薦めたい本を何冊か手にとって、ひとりドアが開くのを待った。
5時半のチャイムが鳴ったとき、重なるようにしてドアの開く音が図書室に響いた。
持っていた本を背もたれ代わりに背中に回し、本棚に身体を委ねる。
“奥”といってもさほど奥行きのない図書室だから、彼はすぐ私の存在に気がついた。
「ほ、星乃さん…」
私を見つけると、瞬く間にうろたえた彼。
山の端形の眉をした表情が何とも言えずかわいい。
「どうしたの?」彼が私に尋ねる。
「どうしたの?って、どうかしたの?」気づかないフリをして、切り返す。
「い、いや…星乃さん、何だか雰囲気違うなぁ…と思って」
「たぶん気のせいだと思う。私は何も変わってないわ」
変わってない、というのは真っ赤なウソ。
わざと彼を困らせようとして、いつもと違う接し方をしている。
まるで年下の彼氏をたしなめる年上の彼女のような感覚…と言えばいいのかな。
いつもと違う私に困惑したのか、彼はさらに眉を下げる。
その彼の視線が私のある体の部位に向いた。
「……」
「どうか、した?」
「え、あ…ごめん」
私の胸をまじまじと見つめていることに気づいていなかったのか、声をかけて初めて彼が反応した。
バストラインができるだけ見えるように背筋を張る。これも計画どおり。
本がそのアシスト役を果たしてくれていた。
この日に合わせて1年生のときに着ていた少し小さいサイズの制服を準備しておいた。
他の男の人の前だと抵抗があるけれど、彼の前なら…。
私から誘うような素振りを見せる、という昔の私ならすぐに赤面してしまう行動もいつしかできるようになっていた。
続けて彼は目線を下げていく。
「その、おし…背中に隠しているのは何?」
「何だと思う?」
すぐに切り返し、再び彼を困惑させる。
「んー…」唸る彼をよそに、私は彼の表情観察を楽しんでいた。
『答えをすぐに言わず、切り返すこと』
川田先生のアドバイスは見事にハマった。
以前は人の表情を見る余裕なんてなかったのに。
「…わからないや」
「ふふっ」
答えを出せなかった彼に対してちょっぴり優越感を覚えながら、種明かし。
「相原君へのプレゼント」
「えっ?」
彼は困惑した表情から一転、瞳を大きく開いて驚いた。
背中から本を引き出し、彼に手渡す。
「私だと思って、大切にして欲しいの」
「…星乃さん」
「一番最後のページ、見てみて」
サプライズを手がけるのは得意じゃない。
むしろいつも引っかかるほうだった。
それが今日は逆の立場。
先生やクラスの女の子たちにいろんなサプライズ話を聞いて、私なりに考え付いたサプライズ。
それは、私が輝日南高校にいる間に何度も読み返した物語本を渡すことだった。
一番最後のページに刻まれているのは、私だけが何度も借りたという返却日のスタンプ。
「ここのものだから、いつかは返さないといけないけれど」
「でも、嬉しい。ありがとう」
「どういたしまして。クスッ」
いざお礼を言われると、なんだかくすぐったい。
それは“私も嬉しい”という気持ちの裏返しでもあった。
「ねぇ、相原君…」
「何?」
「ちょっと、きて」
彼の身体を私の身体に近づける。
もともと近い互いの視線がさらに近づいていく。
靴一つ分ぐらいまで二人の身体が近づいたところで、私は彼の頬を持った。
「んっ」
背伸びをして、そのままキス。
私からのキスは、これが初めて。
「……」
唇を離すと、彼は驚いたような表情を見せながら私を見つめた。
私はそれに対して笑顔で応える。
「今日の星乃さん、やっぱり何か違うなぁ」
「ふふっ、そんなことないわよ」
こんな会話をすること自体、こんな行動をすること自体がおとなしかった私の柄じゃない。
それはもうわかっている。
特に今日は川田先生の入れ知恵もあるけれど、こんな私にしたのは他ならない彼自身。
だから、一歩後ろに下がってから首をかしげる彼が、何だか可笑しかった。
「このあと、どうする?」
「丘の上公園に…行きたい」
思い出の場所を離れる前に、もう一つの思い出の場所へ行きたい。
輝日南での最後のわがままを、彼に伝えた。


これからも彼と一緒にいられますように。
窓越しに見える夕日に、私は願った。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

コメント

くっそー!なんだ、この策士結美は!
『計画通り』ってなんじゃそりゃー!ああ、もぅ、ダメ。萌え死んだ……。
【2008/02/15 10:03】 URL | Kein #sa7XU41w[ 編集]
私も萌え殺されましたよ。
まさに、孔明の罠・・・いや、結実の罠ですな。
あと、私、海老コレ(字違い)買いました。今、やりこんでます。
かれこれ計20時間・・・。
目が痛くてしょうがないです。
目が・・・目があああああああああ!!!(軽くスルーしてください)
【2008/02/15 22:49】 URL | 子龍 #V4rYaZBU[ 編集]
>Keinさん
まんまとハマりましたね(ニヤリ


>子龍さん
ちきゅう~はま~わ~る~(以下略
初日だからってやりこみすぎじゃないですか?(笑)
【2008/02/15 23:53】 URL | Author #y/MN7pSg[ 編集]
やばいです。
ニコニコで20話見ましたが、
後半パート、内容と作画が神です。
【2008/02/24 21:47】 URL | 子龍 #V4rYaZBU[ 編集]
あれはおそらく13話の作画レベルですね。
少なからず一輝の体型が崩れちゃってますけど(笑)
【2008/02/26 22:11】 URL | Author #y/MN7pSg[ 編集]
最後のえりりんが涙流したところで
完全に敗北しました。やばい・・・。
【2008/02/26 23:41】 URL | 子龍 #V4rYaZBU[ 編集]
お久しぶりです
~今週のアニメの感想~
明日夏が、明日夏がぁ~・・・(泣)
完全にえりりんに負けた・・・・・・・
【2008/03/11 18:54】 URL | 雷 #-[ 編集]

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『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
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