キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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2人の廊下 -6-

柊にアドバイスをもらったことで、先行きが少しだけ明るくなった。
(星乃さんの好きなことか…)
相槌ばかりだったすれ違いの会話の中から、星乃さんと仲良くなるきっかけは見つけ出せていた。
彼女は図書委員になったり、会うと必ず話題の最初に出てくるくらい本が好きだということ。その他に、彼女がドラマが好きだということ。ドラマの主題歌やCMで流れる曲はチェックしているということ。
甘いものが好きで、時々コンビニで買って食べていたりすること。
…今までどうして会話がすれ違っていたんだろう。
これといって特別な話題じゃないのに会話を続けられなかった自分に無性に腹が立った。たとえ相手が星乃さんだったとして、彼女を目の前にして緊張していたとして、こんなに不甲斐ない男だったなんて…。
目の前に自分自身がいたら、きっと殴っている。それくらい、自分が情けなかった。
2度とあるかわからないチャンスを何度も何度も簡単に流していた。そう気づいたとき、僕の中で何かがはじけた。
(このままじゃいけない…!!)


あくる朝、気持ちを入れ替えた僕はいつもより早めに登校した。
「今日は早いんだな」という柊の皮肉にも聞こえる冗談をさらりと交わしていると、学級委員が教壇に立って黒板に何かを書き始めた。
…しばらくそれを見ていると、それが教室の座席表だとわかった。
僕は柊と目を合わせながら、席替えをするんだ、と確信した。
(しめたっ!)
早起きは三文の得…かどうかは別として、運がよければ星乃さんの近くの席になれる。
再スタートを切るには絶好の環境ができるかもしれない。
期待に胸を膨らませ、くじ袋が回ってくるのを待った。
(星乃さんの近くになれ…!)
そう念じながら、回ってきたくじ袋からくじを一つ取り、名前を書いて黒板の前にいる学級委員に渡した。
まとめられたくじを見ながら、学級委員が一人ずつ名前を書いていった。
黒板に書かれた座席表が一つ、また一つと埋まってゆく。
先に名前が書かれたのは星乃さんだった。星乃さんは窓際の列の前から3番目。
(移動なしか…うらやましいな)
そんなことを考えていると、立て続けに星乃さんの前後の席が埋められていった。
残るは隣の席。クラスの25人の中でまだ席が決まっていないのは10人。
1/10の確率。
「まだ呼ばれてないんだな」
柊だ。
「ああ」
「星乃さんの隣の席だといいんだけどなぁ…」
「まだ可能性が残ってるから、諦めない方がいいと思うが」
「でも1/10じゃあな」
会話をしながら、ふと目を黒板にやる。星乃さんの隣は…


「相原」


(やったーーーっ!!!)
思わず顔がほころんだ。
「どうやら決まったようだな」
「ああ」
これで星乃さんと仲良くなれる。もう一回スタートが切れる。僕は飛び上がりそうなほど嬉しかった。


全員の座席が決まり、みんながギーッと喧しく机を引きずる音を立てて座席移動を始めた。
机の中にしまっている教科書が重いはずなのに、星乃さんの隣の席になる嬉しさでその重さもどこかへ行ってしまっていた。
星乃さんの隣に着き、星乃さんに声をかける。
「おはよう、星乃さん」
「あ、相原君…おはよう」
星乃さんは僕の方を向いて、ニコッと微笑んでくれた。それだけで今日一日が満たされたような気分だった。
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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


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