キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Still in Love -3-

甲子園編第3話です。
少しオーバーペース気味なので、4話以降はゆっくり更新するつもりです。すみません。
摩央姉2度目の登場。なななるも登場。
我らがヒロインもちょい役で。


それはそうと。
ラジオでアニメのOP聞きました。
アコースティックver.が素敵。
後は26:55に起きているかどうかが問題だ。
++++++++++


高校生は部活だけではなく勉強もしなければならない。
むしろ勉強が本分、と親は思っていることだろう。
1学期の中間テストを間近に控え、2-Aで野球部に所属する5人で集まって放課後に勉強会を開くことにした。
「俺、指定校狙ってんだけど評定やばいんだよなぁ…」
あるチームメートが言う。
奴のように指定校推薦での進学を希望する部員にしてみれば成績評定は必須。1年の時に成績が芳しくなかった部員は今回のテストの結果次第では部活どころではなくなる。それだけに、指定校狙いの奴らは学校からの部活中止令が出ると同時に参考書を読み耽り始めた。


この日は図書室で勉強した後、行きつけの店に行くという予定になった。
柊たちと連れ立って図書室に向かう途中、いつも見る三つ編みを見つける。
「あ、摩央ね…いや、水澤さん」
「あら、相原君」
「もう帰るんですか?」
「ええ」
えらくのんびりとした受け答えをする摩央姉ちゃん。
3年生なのに、どうも勉強するという雰囲気を感じない。
(どういうつもりなんだろう…)
中学のときはガリ勉だった摩央姉ちゃんのことだ。
実はもう余裕とか…?
考えながら顔をまじまじと見つめていると、その視線に相手は気づいたらしい。
「何か私の顔についてる?」
「いや、3年生なのに勉強しなくていいのかな…と思ったんです」
「……」
僕が答えた途端に摩央姉ちゃんは無言になった。
おや?という感情が僕の頭を掠める。
「これから図書室に行くんですけど、先輩も来ませんか?」
「えっ?あ、え、遠慮しておくわ。みんなで行ってきたら?」
本人は意識しているのかわからないけど、表情を無理やり作っているのが見てわかった。口調もさっきまでとは明らかに違っていて、いつもの落ち着いた感じの摩央姉ちゃんらしくない。
「そ、それじゃ、私は先に帰るから」
「えっ、あ…」
僕たちが次の言葉を継ごうとする前に、摩央姉ちゃんは走って僕たちの元を去ってしまった。
立ち尽くした僕たちはただ唖然とするばかり。
「どうしたんだ?水澤先輩」
「さぁ…」
どうやらみんな異変に気づいていたらしい。
が、原因がいまいちわからない。
「まあいいや。図書室行こうぜ」
「…そうだな」
あの動揺のしかたと逃げ方がどうも腑に落ちない。ただその場に突っ立ったままでいても仕方ないので、僕たちは図書室に向かうことにした。


図書室に着いた僕たちはまとまって空いている席を探し、カウンター前の閲覧席に陣取った。カウンターから丸見えで少し居心地は悪いけれど、空いてないから仕方ない。
「さて、始めるか」
「柊様は相変わらず準備が早いなぁ」
柊はいつも成績で学年上位に名を連ねる。クラス内でもトップ争いの常連だから、他のチームメートから「柊様」と皮肉を込めて言われる。
一方で勉強は中の上程度の僕。
エースで秀才。控えで中庸。
部活と同じ差がここでも…というのは認めたくないが、柊が“出来すぎる”のだから仕方ない。
「さて、今日は数学から始めるか」
「了解」
「じゃあ教科書は28ページで、青チャートは…」
柊が主導して勉強会が始まった。
僕は参考書である青チャートを広げながら頭を上げ、何の気なしに図書室を見回す。
(あ…)
カウンターに目を遣ると、さっきまでは見なかった顔を見つけた。
ふだん2-Aの教室で見る女の子―――星乃結美。
彼女とは1年のときから同じクラスだった。
クラスの男子から「可愛い」と評判は高かったし、僕も彼女のことを可愛いと思っていた。でも、接点がないために話す機会がまったくない。
同じクラスになって2年目だけど、会話したことがないという状況は一向に変わっていない。変わったことは、僕が彼女をただ「可愛い」と思うだけではなく「異性」として意識し始めたことだ。
「相原」
「…ん?」
小声で隣にいた柊が囁く。
「どこ見てたんだ?」
「いや、あの」
「星乃さんだろ?」
図星だった。
心の中であたふたする僕を見抜いてなのか、集中攻撃が始まる。
「そんなにじろじろ見るもんじゃないぜ、相原」
「星乃さんを狙ってるのはお前だけじゃないんだ」
「わっ…わ、わかってるよ」
大きな声を出しかけて、慌ててトーンを落とす。
改めて閲覧席を見てみると、それまで真下を向いていた周りの目が僕のほうを向いていた。3年生らしきグループからは睨みつけるような視線を感じて、ちょっと怖かった。
「それにしても、相原は星乃さんか。サッカー部のあの子を差し置いて」
「ちょ、それは…!」
「いい加減噂になってることに気づけよ。『あいつら付き合ってんじゃねぇの?』って先輩たちが疑ってたぜ」
「……」
呆れすぎて開いた口をどう塞いでいいか困った。
確かに咲野さんと仲はいいけど、付き合うなんて段階じゃない…。
ただ、僕が思っている以上に話がややこしくなってきているらしいことは今の一言でわかった。
口を開かない僕をまじまじと見つめるチームメートたちに、僕は諭すように言った。
「その話は、いつもの店に行ってから話すことにするよ」


++++++++++


「いらっしゃい」
「いらっしゃいませ~」
しわがれた声とハキハキとした声が続けて店にこだまする。
ここは讃岐うどん屋「里なか」。
野球部に入るとまずこの店に誘われるという、部員にはなじみの店だ。
夕方にもなると、ちらほらではあるが客の姿が見える。
「おお、お前たちか」
「じっちゃん、こんちわっす」
この店の主人である“じっちゃん”こと軍平じいさんに会釈して、僕たち5人は一番奥のテーブル席に座った。
「なるみ、注文取っといてくれや」
「は~い」
僕たちが座ったのを確認してから、じっちゃんは厨房へと姿を消した。
代わりに近づいてきたのはじっちゃんの末の孫であるなるみちゃん。
輝日南高校の1年後輩でもある。
「先輩、いつものでいいですか?」
「ああ、5人前」
いつもの、というのはじっちゃん特製の野球部特別メニュー。
力うどんと肉うどんを掛け合わせたようなものだ。
「じゃあ、ちょっと待っててくださいね」
とびっきりの笑顔を湛えて注文を取り終えると、なるみちゃんもまた厨房に消えていった。
その姿を5人で確かめてから、誰からともなく本題を切り出してきた。
「さて、うどんが来るまで“例の話”をしっかり聞かせてもらおうか」
「…わかったよ」
僕は小声でも聞こえるように4人に耳を寄せてもらう。
「咲野さんとは…」
「あ、お兄ちゃん!」
「な、菜々っ…!」
話し始めた瞬間。
奥の住居を隠している暖簾から菜々…僕の妹が顔を出した。
よりによってここで出てくるとはタイミングが悪い…。
慌てて店の外に連れ出し、事情を聞いてみる。
「どうしてお前がここにいるんだ」
「なるちゃんとお勉強してたんだよ」
「ちょっとわからないところがあって、それを菜々ちゃんに聞いてたんです」
後を追ってきたらしいなるみちゃんが引き戸から顔を出して答えた。
そういえばこの二人、同じクラスだったな…。
「で、さっきまで部屋の片づけしてたんだ~。ね?なるちゃん」
「ね?菜々ちゃん」
友達同士の息の合った会話に感心感心…している場合ではない。
本題がまだ待っている。
「終わったんなら早く帰れよ」
「帰ろうとしたらお兄ちゃんがいて、そしたら腕を引っ張られて…」
「ああ、それは悪かったな。気をつけて帰れよ」
わざとぶっきらぼうな言い方をして、菜々を突き放す。
それが逆効果になってしまった。
「お兄ちゃん、何か隠してない?」
「何がだよ」
「だって、何か様子が変なんだもん…」
「変なんかじゃないよ」
「何か、あやしー」
執拗に食い下がる菜々。
睨むような目つきが明らかに僕を疑っている。
でも兄貴としてはここで負けられない。
「怪しくなんかないっての」
「でも菜々に何か隠してるでしょ?」
“何か”を隠していることは確かだが、妹にそこまで詮索される筋合いはない。
追及される前に早く埒を開けなければ。
「菜々には何でも話し…」
「先輩!うどんができあがりましたよ」
「わかった。すぐ行くよ」
菜々の声をいつの間にか店に戻っていたなるみちゃんが遮ってくれた。
…助かった。
「じゃあな、菜々。気をつけて帰れよ」
「あっ、お兄ちゃん!」
店の前に妹を残して、僕はうどんと色気づいたチームメートの待つテーブルに戻った。
やれやれ…あんな妹を持つと大変だ。
座ってひと息つこうとしたのもつかの間、今度はチームメートのイヤな視線を感じる。
「仲のいい兄妹だな」
「どこがだよ」
「俺もあんな可愛い妹が欲しいぜ。彼女にしてもいいな」
「おい、それ以上言うなよ」
「すみません、お兄様」
またも始まった冷やかしにうんざりしながら、すでに運ばれていたうどんを一気に平らげた。


もちろん、咲野さんとの関係は食後にしっかり絞られた。
男と女の友情を話すことがこんなに労力の要るものだとは。
…やれやれ。
スポンサーサイト

テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

コメント

甲子園編、大分盛り上がってきましたね。続きが楽しみです

アニメのOP聞きたいんですけど、ラジオが聞けないんです。どうしたらいいですか?使ってるパソコンはMacです。
【2007/09/04 20:11】 URL | Kein #sa7XU41w[ 編集]
Macだと標準オーディオはQuickTimeでしたっけ。私はWindowsなので詳しくはわかりませんが、検索かけてみたらMac版WMP9をダウンロードすれば聴けるみたいですよ。
(音泉が.wmp拡張子を使っているため、WMP対応のQuickをDLするのも手です)

ここで書くと無駄に長くなるので、詳しくは「Mac WMP」で調べてみてください。
【2007/09/04 22:14】 URL | Author #y/MN7pSg[ 編集]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

当室はリンクフリーですが、ご一報いただけると幸いです。
御用の方はメールフォームからどうぞ。

来訪者数

最近の記事

カテゴリー

プロフィール

星乃裕一

Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
『アマガミ』の二次創作もぼちぼちと。


mixi参加してます。
下記メールリンクより管理人宛にアド添付してメールをいただければご招待させていただきます。
あわせて感想などもありましたらどうぞ。

管理人メール

リンク

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。