キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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Still in Love -2-

甲子園編第2話です。


今回はあすえりの登場。
まだまだヒロインの登場は続きます。
ある部分をゲームの設定と若干変えてることに気づくかも。
++++++++++


輝日南高校野球部は、春の県大会でまたもベスト4までコマを進めた。
相手は春の選抜大会に出た強豪校。
試合は息詰まる投手戦となり、9回表が終わって1対3と2点ビハインド。
輝日南高校は9回裏に主将の一打で一点差に詰め寄ったものの、反撃もそこまで。
今回もベンチから外れた僕は、スタンドで悔しさを噛み締めた。
―――また、ベスト4。
甲子園出場に100%直結する大会ではないけれど、夏に向けての課題はまだまだ残されていた。


準決勝の翌日。
僕たち野球部は夏の選手権大会に向けての対策を立てることにした。
教室を借りてスコアブックを広げ、課題を指摘する。
「ここはこうで…、ここはこいつが…」
黒板を大きく使ってミスの多かった連係の再チェック。
チョークを持った主将が所狭しと動き回る。
それが終わると今度は別の課題、また別の課題…「膿み」と云われるものは全部出すことにした。
「よし、じゃあ今後どうするかも決めようか」
夏に向けての練習プランも新たに議題に上がった。
1時間の予定だったミーティングが10分、また10分と延びてゆく。
なかなか締めが決まらず、静かだった教室がざわつき始める。
「じゃあ、全体とポジションごとに…」
「ちょっと」
やっとのことでまとめに入りかけたミーティングを遮るように、カチャリとドアの開く音がした。
みんなが音のしたほうを向く。
そこに立っていたのは真っ黒の髪を腰の辺りまで伸ばした細身の女の子だった。
「実験の邪魔なのよ。早く出て行ってくれない?」
「は?」
「実験の邪魔。二回も言わせないで」
その子は見るからに細い腕を胸の前で組んで、僕たちを睨みつけた。
彼女がイライラしているのが見てわかる。
「こっちは許可を取って理科室を使ってるんだが、何か文句でも?」
「私の許可は取ってないわ」
「は?何でお前の…うっ」
険しい顔をした主将が何か言おうとすると、いきなり鼻を覆ってうずくまった。
どうしてそうなったか、一刹那おいてから僕たちにも理解できた。
「くせっ」
僕たちは慌てて窓側に寄って鍵を回す。
「…また実験は失敗ね」
異臭の中で呆れたように唇を尖らせて息を吐いた彼女は、これ以上何も言わずまたドアの向こうに姿を消した。
急いで窓を開けることはできたが、全員が呆気にとられてしまって主将に何と言葉をかけていいかわからなかった。
「なんだよあいつ…」
しかめっ面をしながら、主将は鼻の中にこびりついたらしい異臭を取ろうとひたすら蛇口の前で鼻を洗っていた。
「二見さんか」柊は言った。
「え、あの子が…」
二見瑛理子。
輝日南高校一の天才。
クラスの誰とも関わりたがらず、授業もまともに受けず独りでどこかの教室に篭っているという話は噂で聞いていた。
けれど、それがまさかこの教室―――理科室とは…。
「ったく、なんて女だ…。次に会ったらタダじゃおかねぇ」
鼻をむずむずさせながら主将は頭を沸騰させかけていた。
「二見ですから、仕方ないですよ」
「二見?あの天才って噂の2年の女か?」
柊がこくりと頷くと、主将は目と口をこれでもかとばかりに開けて驚いた。
「…なんて女だ…」
ドアに向かってその先を透視するような視線を浴びせ、もう一度同じ台詞を繰り返していた。


その日の夕方。
ミーティングが長引いたこともあって、練習は自主練習に留められた。
僕はいつも居残りでやっているメニューをこなすため、照明が灯されるまでグラウンドで汗を流した。
「今日も居残り?」
練習を終えて顔を洗っている僕の後ろから、女の子の声がする。
その女の子が誰かは顔を見なくてももう見当がついている。
「まあね」
首にかけていた白タオルで顔を拭き、女の子の正面を向く。
―――咲野明日夏。サッカー部のFW。
厳しいと評判のサッカー部顧問・石渡が入部を許したただ一人の女子選手だ。
見た目は普通の女の子だが、男子顔負けのテクニックとパワーを持ち合わせる。
サッカーの話になると目を輝かせる生粋のサッカー女子高生。
ここだけの話だが…彼女は案外、胸がある。
摩央姉ちゃんにはかなわないけど。
「このところ毎日居残り練習なんて、頑張ってるね」
「咲野さんだって、ずっと居残りでやってるじゃないか」
「まあね~」
後ろ手を組んでニコリとする姿がいつ見てもかわいい。


最初に彼女と出会ったのは1年の秋のこと。
球拾いに明け暮れていた下っ端の僕は、少しでも上手くなるために居残り練習を始めた。
練習用としてフェンスにくくられたチューブを引っ張っていると、目の前にサッカーボールが転がってきた。
「ごめんなさーい」
ボールを取りにくるのがてっきり男子だと思っていた僕はドキッとした。
姿を現したのが練習用ユニフォームを着た女の子…つまり咲野さんだったからだ。
「サッカーのうまい女子がいる」と野球部でも噂になっていたから名前ぐらいは知っていた。
けど、いざ本人を目の前にするとどうしたらいいか所作に困る。
野郎連中の“低俗”な会話の対象にもなっているからなおさらだ。
「…はい」
「ありがとう」
サッカーボールを渡すと、彼女は無邪気な笑顔で応えた。
「女子なのに、サッカー部?」
「うん。よく言われるんだけど」
僕の素朴な疑問に照れ笑いをしながら答える咲野さん。
照明に照らされて光る額の汗が印象的だった。


「今日って一緒に帰れる?」
「んー…一緒に帰りたいんだけど、今日はこれから行かなきゃいけないところがあって」
「そっか。じゃあまた今度」
「ごめんね。いつも誘ってくれてるのに」
並んで更衣室に向かいながらそれとなく誘ってみるけど、案の定断られる。
彼女を誘っているのは別にやましい思いがあるわけじゃなくて、同じスポーツ選手として吸収したいところがあるからだ。
サッカーに対する姿勢、心がけ、肉体のケア…。例を挙げようと思えばいくらでも挙がる。
それに彼女の恋愛に対する姿勢も知っている以上、今の段階で恋愛の話は二の次だ。
「それじゃ、おつかれさま」
「うん、お疲れ」
挨拶代わりの手の平タッチを交わして更衣室への入り口で彼女と別れた僕は、スパイクを片付けてスプレー臭い男子更衣室に入った。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

コメント

どうもです~。 キミキスアニメ、大阪でも放送されますね、良かったです(^^♪
【2007/08/31 21:38】 URL | 雷 #-[ 編集]
どもです。
アニメですが、M○Sがやってくれましたね。時間的に起きてられるか微妙な時間です…(苦笑)録画セットは必須ですね。
【2007/09/01 08:39】 URL | Author #y/MN7pSg[ 編集]
了解ですー。

アニメは春の設定らしいので、どんな展開になるのやら。
【2007/09/02 00:14】 URL | Author #y/MN7pSg[ 編集]

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