キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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桜の咲く道で -3-

折り返しの第3話。


インフルエンザが流行っているそうです。
お体にはお気を付けくださいませ。
++++++++++


「先生の初恋っていつですか?」
「高校生のとき。年上で、スポーツマンタイプだったわ。今日の相原君みたいな感じね―――」
先週、川田先生に初恋のことを聞いてから、先生のことを少し意識するようになった。
意識…というよりは、自分で勝手に勘違いしているような気もする。
先生が『相原君みたいな…』とたとえてくれたから調子に乗っているだけ。
たぶん。


その初恋の話を聞いてから、先生らしい明るさが少し陰って見えるようになった。
授業の合間に見せる愁いを帯びた表情。
昼寝のために来た屋上で見た、ため息をする後姿。
(どうしたんだろう…)
先生がいつも見せる笑顔も、繕った笑顔に見えてしまう。
また勘違いしているのか、それとも…。


「相原君」
水曜の放課後。
先生のことが気になって職員室に通じる廊下を歩いていると、咲野さんに呼び止められた。
「どうしてここに?」
「ちょっと先生のことが気になって」
「あ、やっぱり…」
彼女も何か心当たりのあるようなしぐさを見せた。


「…相原君も気がついてたんだ」
「そりゃ、いつもの先生らしくないからすぐわかったよ」
「光一にしては随分気が回るじゃない」
「それってどういう意味だよ…って摩央姉ちゃん!?」
プールに向かう渡り廊下で咲野さんと話していると、摩央姉ちゃんが横から割って入ってきた。
偶然通りかかったら会話が耳に入ってきたらしい。
「トモちゃんの話よね?」
「う、うん」
「水澤先輩も川田先生の様子、変だと思いませんか?」
「うん、私もそう思うのよ。トモちゃんらしくないなって」
3人で先生について話し始めると、全員の意見が一致した。
―――何か悩み事があるに違いない。
その悩み事は何なのか。それがわかれば何かできるかもしれない。
「じゃあ、作戦会議を始めましょ」
摩央姉ちゃんの号令のもと、僕たちは先生にアプローチする方法を考えた。
ストレートに聞ける内容ならいいけれど、そういう雰囲気でもない。
かといって回りくどい聞き方をすれば自分たちの求める答えにたどり着けないリスクもある。
「うーん…」
三人寄れば文殊の知恵…なんて言葉はどこへやら。
みんなして腕を組んで考え込んでしまった。
……一刹那。
「んー、こうやって考えてる時間がもったいないわね」
じれったそうにする摩央姉ちゃんの言い分は理にかなっている。
まず行動。それで意見がまとまった。


++++++++++


気を抜くと、あの人との思い出が蘇ってくる。
あの人が悪いわけじゃない。
でも、どうして…。


何をやってもあの人のことを思い出す。
そして思い出すと負の方向に走り出す自分の心にやきもきしながら、何日も気分の浮かない日が続いた。


「川田先生」
授業が始まって2週間目の金曜日。
「あ、相原君…どうしてここに?」
「先生にクロールを教えてほしいんだって」
(えっ?)
咲野さんと一緒にいる彼は、もう競泳用の水着に着替えていた。
水泳を教わるなら私じゃなくて体育の先生でも十分なはず。
そう伝えると、彼はこう切り返してきた。
「先生じゃないとダメなんです」
…どういうつもりなんだろう。
彼の意図が読めない。
私が返事を渋っていると、上に着ていたTシャツを脱いですでに臨戦態勢。
視線は鋭く私を向いている。


―――彼は本気。


直感が働いた。
「覚悟はいい?」
「はいっ!!」
部員に勝るとも劣らない元気な声が私の心に火をつけた。


「ぜぇ、ぜぇ、はぁはぁ…」
「頑張ったわね、偉い偉い」
相原君が持久走で見せた根性はホンモノだった。
彼に課したのは25メートル30本。
途中から選手以外ではなかなかしないクイックターンもさせたから、かなり体力を消耗してるはず。
それでも食い下がる根性と、覚えの早い彼のセンスのよさに驚いた。
「明日から水泳部に来てみない?」
「ほ、本当ですか!?」
「体験入部って感じになるけど、それでよければ」
頑張ったんだから、これくらいの待遇はしてあげたい。
それに素質のある人をこのまま放っておくのは、何だかもったいない。
「やった!これで一緒に泳げるね」
「えっ…うん、はぁ、はぁ」
息を切らしながら、駆け寄る咲野さんに笑顔で接する彼を見て少し和んだ。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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Author:星乃裕一
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『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
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