キミキス*Kimikiss SS図書室
PS2ソフト「キミキス*Kimikiss」(©2006 ENTERBRAIN,inc.)のメインヒロイン・星乃結美をメインにした創作小説図書室です。

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2人の廊下 -4-

授業後のホームルームが終わると、僕は星乃さんと約束している図書室へと向かった。
(いったい何を手伝うんだろう…)
具体的に何を聞いたわけでもない。ただ「手伝ってほしい」と言われているだけ。
図書室でいったい何をするつもりなんだろう。別に僕じゃなくてもいいじゃないか。それに、なぜ星乃さんは図書室なんて場所を選んだんだ…?
(まさか…!いや、でも星乃さんに限ってそんなこと…)
図書室のある3階へと向かう僕の頭の中で想像と妄想が交錯しながら、いろんな疑問が湧いては消えてゆく。

階段を上りきり、図書室へと向かう廊下を歩く。参考書を持った受験生らしい数人の生徒が廊下で待っているのが見えた。まだ図書室は開いていないらしい。その待ち人の中に星乃さんは…見当たらない。
仕方なく図書室が開くまでの間、僕は時間つぶしのためにプールへと向かった。プールに行く目的はもちろん言えるはずがない。
でもプールのある体育館は図書室からも近く、時間をつぶすにはもってこいの場所だった。
…が、あいにく今日は誰も泳いでいない。
(ついてないなぁ…)
渋々プールを離れ、もう開いているであろう図書室へと戻ることにした。
階段を上っていくと、3階でなにやら話し声が聞こえる。
「お、おい、二見だ…」
「あいつ、理科準備室にしかいないと思ったら、図書室にも行くんだな…」
二見…といえば、この学校では一人しかいない。
二見瑛理子。隣のクラスの2-Bにいる天才。学年では当然のごとく成績トップを誇り、IQ190と言われるその余りの頭の良さに周りの同級生をはじめ教師からも敬遠され、いつも孤独だという。その二見瑛理子が図書室に…星乃さんに会えると浮き足立っていた僕の目の前の空気が、彼女の存在によって氷のように凝り固まった。
(うわ…)
一瞬で出来上がってしまった重苦しい空気の中、僕は二見瑛理子のよく伸びた黒髪を目の前に見ながら、図書室に入った。
冷房を効かせている図書室はいつも涼しい。暑い日はここでよく涼みながらうたた寝をしている。
(星乃さんは…?)
僕は今にも潰されそうなほどの重苦しい空気から逃れようと、星乃さんの姿を探すことにした。図書カウンター、閲覧机の周り、本棚の並び、書庫…。
(あ…)
星乃さんは、書庫の奥で作業をしていた。

「星乃さん」
「あ、相原君…ほんとに来てくれたんだ」
星乃さんは作業している手を止め、胸の前で両手を合わせながら笑顔で僕の方を向いた。
「うん、なんだか大事な頼み事なのかと思って」
「ええ、そうだったんだけど…。ほかの図書委員の子も来てくれたから、もう終わりそうなの…」
彼女は申し訳なさそうに俯いた。悲しげな表情が僕から少しだけ見える。
「別にいいよ。急ぐ用事があった訳じゃないし」
「うん…でもせっかく来てくれたのに、悪いことしちゃって…ごめんなさい」
「謝ることなんてないよ。それに、朝のお礼も言いたかったし」
「あ…」
星乃さんの俯き加減の顔が僕の真正面を向いた。その顔は赤い。そして恥ずかしいのか、目線は少し下向き。
「朝は本当にありがとう。楽しかった」
「うん、私も…」
視線を合わせるのが恥ずかしかったけど、星乃さんの目を見て言えたことが僕は嬉しかった。そして僕は、自然とこんな言葉を口にしていた。
「それでさ…もしよかったら、また話しかけてもいいかな?」
「え…?」
キョトンとする彼女。
「それって…お友達、ってこと?」
「そう」
「え…でも私、友達少ないし…男の子の友達なんていないし…」
やっぱりためらっている。女の子からならまだしも、男からこんなことを言われるのだから、ためらうのも無理はない。
ダメか、と諦めかけていた。ところが、次に彼女の口から出てきた言葉は意外なものだった。
「でも、嬉しい」
「えっ?」今度は僕が驚いた。
「あなたがお友達になってくれるって言ってくれて、私、嬉しい」
そう話す彼女の表情には笑みがこぼれている。
「そ、そう」想定外の答えに、頭の中は混乱してしまった。何が何だかよくわかってない。
「じゃ、じゃあ、これから話しかけてもいいってこと?」僕は必死に言葉を絞り出す。
「ええ」彼女は深く頷いて、僕に微笑みかけてきた。
「やった!」僕は感情を抑えきれず、本音をついつい行動に出してしまった。
「…クスッ」星乃さんはそんな僕を見て笑っている。
「じゃあ、これからよろしくね」
「私こそよろしくね」
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

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Author:星乃裕一
SS書き5年目。

『キミキス』『TLSS』(PS2)の二次創作をやってます。
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